東京 vs 地方都市:中古マンション価格比較 2020〜2025

主要6都市の中古マンション取引153,990件の分析

153,990
分析取引数
6
都市
FY2020–FY2025

更新日 2026年6月2日

データ出典: 国土交通省 (PDL 1.0) | 分析・考察: © Tatemono IQ

市場概況

2020年から2025年にかけて、日本の主要6大都市(東京23区と地方の主要5都市)の中古マンション価格は構造的な二極化を経験しました。東京23区は2025年に¥1,133k/m²と絶対的な価格プレミアムを維持(最安の札幌の4倍超)した一方、上昇の勢いは地方中枢都市(ティア1都市)にあります。大阪が+48.8%の5年成長率で全市場をリードし、福岡が+39.9%で続きました。全都市が期間を通じて上昇しましたが、そのペースは大きく分かれ、東京(+24.0%)、札幌(+25.5%)、名古屋(+23.8%)が20%台前半〜半ばに集中する一方、仙台(+19.5%)が最も緩やかでした。本分析は主要6都市の区部を対象とした153,990件の公式MLIT調査価格取引データを活用しています。

+325%
大幅に高い
東京プレミアム(最安都市比)
札幌
+48.8%
最高成長
成長率(最高都市)2020→2025
大阪
二層市場リスク
都市内における資産価値の二極化(大阪)
大阪 P25〜P75スプレッド(2025年)
¥266,667/m²
最も購入しやすい(取得のハードルが低い)
最も手ごろな主要都市
札幌

都市価格格差を生む要因

円安

2022年から2024年にかけての30%以上の円安により、日本の不動産は外貨(ドル・ユーロ)建てでここ数十年で最も割安となり、海外資本を主に大阪・東京という国際的に最も注目される2大市場へと引き寄せました。この追い風は大阪を全市場で最も速い5年成長率(+48.8%)へと押し上げる一因となりました。しかし円安は要因の一つに過ぎません。福岡(+39.9%)は同等の国際的知名度がないにもかかわらずほぼ同じ速さで上昇し、東京(+24.0%)を上回りました。つまり円安は価格上昇を広範に増幅したのであり、主要都市だけに集中させたわけではありません。

都市集積プレミアム

東京・大阪は、本社集積・国際交通ハブ・高密度交通網という不可欠な集積効果を持ち、景気サイクルに左右されない安定需要を持続させています。地方都市は集積ではなく、手ごろな価格と生活の質で競っています。

中心部の供給制約

東京・大阪の中心部は建設可能な土地が構造的に不足し、再開発サイクルも長期化しています。福岡・札幌は中心部が比較的小さく、需要の急増が新規供給を上回ったことで価格が上昇しました。

金融政策と住宅ローン金利

日本銀行の超低金利政策は2023年まで変動金利住宅ローンをゼロ近傍に保ち、全国的な需要を牽引しました。2024年に開始した金利正常化は即座に市場の分化(明暗の分かれ目)を引き起こしています。東京・大阪では資本力のある購入者が対応できた一方、名古屋は小幅に下落し、札幌は2025年に横ばいとなり、地元のローン(レバレッジ)に依存する国内購入者の信用引き締めへの価格感応度の高さを示しています。

建設費の高騰

円安は6都市すべての建設資材輸入コストを押し上げました。東京・大阪では新築価格の高騰が国内購入者を中古市場に誘導し、中古価格を押し上げています。札幌・福岡でも同じ供給サイドのインフレが手ごろな新築の着工を抑制し、地元需要を既存住宅流通市場に流入させ、信用引き締めの逆風が高まる2024年まで中古価格の底堅さを維持させています。

価格トレンド

6都市マンション価格推移 2020〜2025

東京23区は2020年の¥914k/m²から2025年の¥1,133k/m²へ上昇(+24.0%)しましたが、最も速い価格上昇(キャピタルゲイン)は地方の主要商業拠点都市で起きました。大阪は+48.8%で¥727k/m²へと全市場で最も強く上昇し、福岡は+39.9%で¥485k/m²へ上昇しました。6都市はいずれも2020年から2025年にかけて概ね着実に上昇し、市場全体での反転局面はありませんでした。名古屋は5年間で+23.8%上昇し、2024年のピークからわずかに軟化した程度にとどまりました。札幌は¥267k/m²と日本最安の主要市場でありながら+25.5%上昇し、2025年の水準を2024年比で横ばいに保ちました。仙台は+19.5%と最も緩やかな上昇でした。

+325%
東京プレミアム(最安都市比)
+48.8%
最高成長都市(2020→2025)
¥266,667/m²
最安都市中央値
+325%
最大都市間格差

都市別中古マンション中央値(¥/m²)FY2020〜FY2025

中央値 · 年次 · 区部集計 · 国土交通省不動産情報ライブラリ · 最低30件

¥200k¥500k¥850k¥1150k202020212022202320242025名古屋大阪福岡札幌仙台東京Source: Tatemono IQ (tatemonoiq.com) · Data: MLIT Reinfolib

6都市すべて区部集計。東京は23区(東京都区部)の集計値。各折れ線は6都市すべての主要区域における連続した年次市場活動を示します。

都市ランキング

都市別中古マンション価格

中央値(¥/m²)· 最新年 · 区部集計 · 最低30件 · 出典: 国土交通省不動産情報ライブラリ

順位都市中央値(¥/m²)2020→2025
01東京¥1,133,333+24%
02大阪¥727,273+48.8%
03福岡¥485,000+39.9%
04名古屋¥412,500+23.8%
05仙台¥327,273+19.5%
06札幌¥266,667+25.5%

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その他のマーケットインテリジェンス

調査方法

  • 購入者申告の調査データ(全住宅取引の約20〜30%をカバー、国土交通省アンケートの回答率は約30%)
  • 6都市すべて区部の集計。東京=23区(東京都区部)集計、東京都全体ではありません
  • 高密度サンプル検証:分析対象6都市すべてが堅牢な取引量を維持しており、基準期間中の都市あたり平均検証済みデータ数は25,000件超
  • PDL 1.0(パブリックデータライセンス)— 出典明記により自由に転載可能

データ出典

出典
不動産情報ライブラリ(国土交通省)
URL
https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
ライセンス
PDL 1.0
最終更新
2026年6月

基準年の設定

都市比較で2020年を基準とする理由

本レポートはシリーズ開始年であるFY2020を基準年として成長率を算出します。コロナ後の回復を測定するためFY2021を起点とする全国住宅レポートとは異なり、本都市比較は6都市すべての5年間の軌跡を等条件で示すよう設計されています。分析対象6都市はいずれもFY2020において深い市場流動性と強固なサンプル密度を有しており、2020年ベースラインが6大市場全体にわたる統計的に有効な横断比較となることを保証しています。

中央値を使う理由

なぜ指数と異なる数値になるのか

Tatemono IQの取引中央値は、各都市の区部内におけるあらゆる住戸規模(専有面積)、築年数、微小地域(マイクロジオグラフィ)の取引をそのまま反映した、平米単価(¥/m²)の未加工の集計値です。東京カンテイの70m²換算指数などの機関投資家向け指数は、70㎡のファミリータイプ住戸に絞り込んで売出価格を集計しており、単期の取引ノイズを平滑化し、コンパクト物件を除外することで高い数値を示します。Tatemono IQが加工前の取引中央値を使用するのは、実際の市場流動性を正確に反映し、市場における実際の購入コストを示すためです。

東京については、当社の中央値には23区に多く見られる高利回りコンパクト物件(ワンルーム・1LDK等)の大量取引が含まれています。このため正規化された70m²ファミリー向け指数よりも絶対値は低くなりますが、市場全体のモメンタム(取引速度)を、フィルターをかけずに、より市場の実態に即した形で提示しています。

ライセンス・権利

利用規約・引用方法

本レポートおよびその独自ビジュアル分析は、クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利-改変禁止 4.0 国際(CC BY-NC-ND 4.0)ライセンスの下で提供されています。出典を明記しTatemono IQの元ページへのリンクを付けることで、非営利目的での複製・共有・引用が自由に行えます。商業利用や改変版の配布は禁じられています。商業ライセンスについてはTatemono IQまでお問い合わせください。

クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利-改変禁止 4.0 国際ライセンス

レポートの引用

Tatemono IQ. (2026). 東京 vs 地方都市:中古マンション価格比較 2020–2025. Retrieved from https://www.tatemonoiq.com/ja/market-reports/tokyo-vs-regional-cities